レジリエンスとは
元々は物理学の用語で「回復力」「復元力」「弾力性」のことです。心理学の世界では「忍耐力」「立ち直る力」という意味で使われています。レジリエンスを高めることで、仕事のプレッシャーや失敗、トラブルなどがあっても、心の健康を保ちながら、慌てずに落ち着いて対処することができるようになります。
レジリエンスは、次の6つの要素により構成されています。
(1)自己認識
自分が大切にしている価値観や目標、信念を正しく認識すること。困難な状況下に置かれたときに自分自身を客観的に見て、対処していくことができます。
(2)自制心
その時々の自分の感情・感覚を正しく理解し、適切に制御できる力のこと。感情に振り回されない行動を行うことができます。
(3)精神的敏捷性
物事を多角的に捉え、全体像を把握し、迅速に対処すること。様々な角度から客観視し、本質を見極めるので、感情的にならず冷静に判断をすることができます。
(4)楽観性
物事を前向きな感情やプラス思考で捉えること。困難な状況でも、未来志向で物事を考え、希望を抱くことができます。
(5)自己効力感
自分ならできるという自信を持つこと。トラブル、ミスなどの逆境に対して、乗り越えていくことができます。
(6)つながり
家族や友人、同僚・上司・先輩など「他者とのつながり」のこと。逆境に立たされたときに、支えてくれる存在があると、乗り越えていくことができます。
レジリエンス研修が求められる背景
(1)予測困難な時代の変化への対応
近年はVUCA時代と呼ばれ、自然環境の変化やテクノロジーの進化によって、未来が予測することが難しい時代となりました。過去の成功体験が通用しないので、変化に柔軟に対応し、困難や逆境を乗り越える力が求められています。
(2)ストレス社会の対応
企業の労働者のメンタルヘルス問題が表面化し、問題になっています。令和3年「労働安全衛生調査(実態調査)」によると、メンタルヘルス不調により1か月以上休業または、退職した労働者がいた事業所の割合は10.1%で、前年の9.2%よりも増加しています。職場で強い不安やストレスを感じている労働者は53.3%。仕事の量や質、仕事の失敗、対人関係がストレスの主な要因です。
困難な状況であっても、それを乗り越え、自身の成長につなげられるようになるために、レジリエンス向上が必要です。
(3)ダイバーシティ・マネジメントへの対応
これまでの日本の企業は、終身雇用制で、帰属意識の高い同じような価値観を持つ従業員が所属していましたが、いまは年齢、国籍、宗教、性別などが異なる従業員で構成されています。価値観の異なる従業員一人ひとりの多様性を受け入れ、認め、活かし続けるダイバーシティ&インクルージョンの推進が重要視されています。
価値観が異なると意見が衝突し、ストレスを感じることもあります。お互いに尊重し合う組織を目指すために従業員のレジリエンスを高めましょう。
(4)人材不足の影響
少子高齢化が進み、人材不足が深刻な課題となっています。従業員は高い生産性・効率性で働くことが求められます。また、就職活動の売り手市場が進み、転職しやすい環境です。些細なことがきっかけで離職につながらないようにしましょう。
困難を克服し精神的に早期に立ち直るスキルを身につけることが重要です。
研修の効果
・難局に際して冷静に粘り強く対応する力をつける
・困難を克服し精神的に早期に立ち直るスキル(レジリエンス)を学ぶ
・目標を達成する(やり抜く力をつける)ためのコツを知る
・人間的な成長を実現している人(自己実現者)の特徴に学ぶ
※マネジメントから日々の業務推進まで幅広く応用できます
研修プログラム例
1.レジリエンス(立ち直る力)を高める7つの生き方
・否定的な感情を羅針盤とする
・楽観主義でいる(IQ EQ より大切なもの)
・なぜ失敗が怖くなるのか? etc
2.GRIT(やり抜く力)を発揮する5つのカギ
・結果ではなく経験そのものを財産とする
・マイナス感情が一瞬でプラスに変る秘密
・成果を上げるためのシンプルな方法 etc
3.自己実現している人間の心理学
・自己実現的人間とは何か
・自己実現的人間10の特徴
・自己実現的人間の対人関係 etc
4.グループワーク
1クラスの受講人数 | 24名 |
研修日数 | 90分~1日 |
担当講師 | 鈴木 雅幸(臨床カウンセラー養成塾 塾長/カウンセリングライフ代表/心理カウンセラー・コーチ) |
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