目次
8割以上の企業が今後もテレワーク継続の見込み!
チャットの活用や雑談時間の確保がエンゲージメント、従業員満足度に影響の可能性
■約5割の企業で、社員のエンゲージメント、従業員満足度にポジティブな変化
■オンライン会議の運用 議事録の自動作成やポインター機能等のオンラインならではのツールを活用している企業は3割以下
■8割以上の企業が今後もテレワーク継続の見込み
株式会社かんき出版教育事業部(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:齊藤 龍男)は、一般社団法人オンラインコミュニケーション協会(本社:東京都千代田、代表理事:初谷 純)との共同で、首都圏を中心とした企業に対して、テレワークに関する実態調査を実施しましたので、お知らせいたします。
調査概要
調査概要:「テレワークに関する実態調査」
調査方法:インターネット調査
調査期間:2022年3月15日~同年4月11日
有効回答:テレワーク(以降リモートワーク等、オフィス以外での勤務と同義)を導入している企業54社
6割以上の企業が、新型コロナウイルスの感染流行以降でリモートワーク制度を導入
「Q1. いつからリモートワーク制度を導入していますか?」と質問したところ、「1年前(2021年)から」が2%,「2年前(2020年)から」が63%、「それ以前から」が35%という回答となりました。
※正式な制度ではなく新型コロナウイルス感染症対策で一時的に導入している場合や一部の部署だけ導入している場合も該当
・1年前(2021年3月頃)から:2%
・2年前(2020年3月頃)から:63%
・それ以前から:35%
オフィス、職場への出社日数に関しては特にルールを設けていない企業が約7割
「Q2. リモートワーク下でのオフィス、職場への出社日数に関するルールはどのようになっていますか?」と質問したところ、「日数に関するルールは特になし」が67%、「週に3日~4日は出社」が13%という回答となりました。
・週に1日は出社:7%
・週に3~4日は出社:13%
・日数に関するルールは特になし:67%
・その他:13%
・ソフトウェア通信:申請に応じて出社を前提としないことも可能
・商社:出社制限あり。各部署で出社率20%となるように調整
・建設:コロナの状況に応じて、テレワーク率を可変
・商社:最初のルールは週1日以上出社だったが条例によってその都度変動
・ソフトウェア通信:基本、テレワークとし、出社率2割以下 など
2019年度(コロナ禍以前)との対比で売上げが上昇している企業は3割程度に留まる
「Q3. 2019年度(コロナ禍以前)との対比で、2021年度の売上げはどのように変化しましたか?」と質問したところ、「大幅に上がっている」「上がっている」が合計31%、「下がっている」「大幅に下がっている」が合計43%という回答となりました。
・大幅に上がっている(107%~):13%
・上がっている(102~106%以上の伸び):18%
・変わらない(99%~101%):26%
・下がっている(93%~98%までの下げ):30%
・大幅に下がっている(~92%):13%
約4割の企業が、2019年度(コロナ禍以前)との対比で純利益上昇
「Q4. 2019年度(コロナ禍以前)との対比で、2021年度の純利益はどのように変化しましたか?」と質問したところ、「大幅に上がっている」「上がっている」が37%、「下がっている」「大幅に下がっている」が37%という回答となりました。
・大幅に上がっている(107%~):11%
・上がっている(102~106%以上の伸び):26%
・変わらない(99%~101%):26%
・下がっている(93%~98%までの下げ):22%
・大幅に下がっている(~92%):15%
約半数の企業で、社員のエンゲージメント、従業員満足度にポジティブな変化
「Q5. リモートワーク導入前と導入後で、社内のエンゲージメントサーベイ、従業員満足度調査などの結果は変化しましたか?」(n=33)と質問したところ、「ポジティブな変化があった」が42%、「ネガティブな変化があった」が21%という回答となりました。
・大幅にポジティブな変化があった:6%
・ポジティブな変化があった:43%
・変わらない:30%
・ネガティブな変化があった:21%
オンライン会議の運用では「雑音が入らない環境で行う」が54%と最多、「アジェンダを共有しながら進行」が52%で続く
「Q6. 社内のオンライン会議の運用について、組織で実施していることをお選びください?」(複数選択可)と質問したところ、「ヘッドセットの活用等、雑音が入らない環境で行う」が54%、「アジェンダを共有しながら進行」が52%という回答となりました。
また「ポインター機能やマーカー機能を使用する」が26%、「議事録の自動作成機能の活用」が9%という回答になりました。
・その他:
・サービス:会議中に緊急性の高い業務対応が入った場合カメラをオフ
リモートワークの運用では「フレックスタイム制度を導入」70%と最多、「Web版のカレンダー等を使用」が65%で続く
「Q7. 組織でのリモートワークの運用について、当てはまるものを選んで下さい」(複数選択可)と質問したところ、「フレックスタイム制度を導入し、フレキシブルな働き方を推奨」が70%、「Web版のカレンダー等を使用して“誰がどこで何をしているか”チーム内で共有している」が65%という回答となりました。
また、「オンライン懇親会を実施する等、社内のコミュニケーション活性化を図っている」が26%、「ランチタイムや雑談タイム等、会議・ミーティング以外でメンバー同士のコミュニケーションが図れる時間を設けている」が26%という回答になりました。
リモートワーク環境下での課題、「コミュニケーション不足」や「業務進捗の確認」、「残業時間の増加」など
「Q8. リモートワーク環境下で課題になっていることを自由にご記入ください」と質問したところ、「コミュニケーション不足」、「業務進捗の確認」、「残業時間の増加」、「ITリテラシー」などに関する回答を得ることができました。
<自由回答・一部抜粋>
【コミュニケーション不足に関する回答】
・メーカー:上司、部下、チーム内のコミュニケーションの不足
・運輸:部下との雑談が圧倒的に減少している。雑談タイムを設けているものの、参加するのはごく一部のメンバーであり、ほとんどが参加しない状況で打ち手に困っている。
・商社:認識違いが多くなった
・メーカー:上司部下間のコミュニケーションの質・量の低下
・メーカー:縦のコミュニケーションは問題ないが、横のコミュニケーションが希薄になっている。
・サービス:従業員コミュニケーションの希薄化
・建築:若手育成とコミュニケーション。
・ソフトウェア通信:コミュニケーションの頻度が減っている
・メーカー:雑談が減ることでアイディアの発散が出来ない。会話をしない日が長く続くと、精神面が不安定になる社員もいる。
・サービス:対外部者(パートナー他)との会議での距離感が掴みにくい=お互いの歩み寄りが重要に
・商社:自分の所属する組織以外の情報が入りにくい。コミュニケーション頻度の低下
【業務進捗、評価に関する回答】
・サービス:勤務の状況が把握しづらい。時間に見合った成果かどうかを確認しづらい。
・不動産:業務の進捗や顧客とのやり取りを直接確認できないことによるトラブルの予兆を把握しづらい。
・ソフトウェア通信:リモートワーク下での入社社員や新規参入者のオンボーディング
・メーカー:評価運用に悪影響が出ている。(評価者と被評価者の相互理解が不足しがち)
・ソフトウェア通信:評価が適切になされているか不安に感じる。
・サービス:業務進捗の確認を管理職は積極的に行う必要がある(部下の報告を頼るだけではコミュニケーション不足になるため)。上記に付随して管理職のマネジメントスキルによって部下の成長度が明らかに異なる。
・サービス:心身の健康が保ちにくくなっている
・商社:ストレスの増加、残業時間が伸びている
【残業時間、セルフマネジメントに関する回答】
・小売り:部署により残業時間が増加している
・メーカー:残業時間が増えてしまっている。
・ソフトウェア通信:時間外勤務の増加/有休消化率の悪化
・ソフトウェア通信:コミュニケーションの頻度が減っている、残業時間が伸びている、運動不足
・ソフトウェア通信:オンオフの切り替えが明確でなくなった感がある。
【ITリテラシーに関する回答】
・商社:デジタルの活用度合に開きが出てきた
・メーカー:Teamsの利便性により打ち合わせの量が増加している。一日中何かしらの会議という日がある。
・メーカー:紙ベースの資料がまだまだ多く、出勤しなければ確認できない情報などがある。
・サービス:新しいシステムに対応できない人が淘汰されがち=新しいシステムのHowTo整理が追い付いていない(office365/Teams/ovice etc…)
・金融:慣れてきたとはいえ、ITリテラシーの高低がある
【部署による取り組み状況の差に関する回答】
・メーカー:部門や個人によって、リモートワークの比率が異なり、不公平感を感じる社員がいる
・メーカー:リモートワークが権利化傾向になっている
・メーカー:部署によっての取り組みの差が様々であること(全く工夫ができていない部署も存在する)
・メーカー:部署や上司によってリモートワークのルールや実施可否が異なるため、社内の不公平感が生じる可能性あり。
リモートワークを導入したことで「ワークライフバランスの充実」や「業務の効率化」などの好影響
「Q9. リモートワークを導入したことで、好影響があったこと を自由にご記入ください」と質問したところ、「ワークライフバランスの充実」、「業務の効率化」、「経費削減」などに関する回答を得ることができました。
<自由回答・一部抜粋>
【ワークライフバランスに関する回答】
・メーカー:男性社員が育児に積極的に関われるようになっている話をよく聞く。
・メーカー:育児介護勉強など、制約のある社員が柔軟な働き方が出来るようになった。
・ソフトウェア通信:働き方の改善、育児・介護がやりやすくなった。
・サービス:通勤時間が睡眠や健康のための運動時間になり、身体へのストレスが軽減されたことで健康を実感することができた
・商社:病欠が少なくなった
・サービス:通勤時間分をプライベートの時間にあてられるようになった。
・建築:商談や打ち合わせの効率化による生産性アップ。
・小売:移動時間がなくなったことによる私的時間の有効活用
・サービス:家庭と両立した働き方がしやすくなった。
・メーカー:各自が自身の学びを始めるようになった(業務に紐もつかないものも含む)
・ソフトウエア通信:ワークライフバランスの充実、通勤時間削減
・メーカー:濃厚接触者も在宅勤務で業務対応できたこと
【業務効率化に関する回答】
・商社:急激に電子化が進んだ
・サービス:チャットを気軽に使えるようになったのは有り難い
・小売:資料や申請書の電子化・ペーパーレス化
・メーカー:各種資料の電子化が少しずつ進んでいる
・サービス;業務上のコミュニケーションコストが下がった(会議会場確保に割く時間、会議ペーパレス化、ディスカッションが本題に集中できるなど)
・運輸:会議に対する集中力が高まった。
・ソフトウェア通信:通勤・出張による時間、経費の削減
・建築:商談や打ち合わせの効率化による生産性アップ。
・ソフトウェア通信:遠隔地で開催されるイベントや勉強会への参加
・メーカー:出張せずに地方拠点とのやり取りが可能になった。
・メーカー:リモートでのセミナーの受講が可能となった。
・サービス:移動時間の削減と、どの拠点からも研修に参加しやすくなった
・商社:会議を公式に録画できる
・商社:海外とのやり取りが時間を問わず可能となった
【移動時間削減に関する回答】
・運輸:無駄な移動時間が無くなった。
・商社:移動時間に充てていた時間を別のことに有効活用できる
・メーカー:通勤時間の削減
・建設業:通勤・出張がなくて良い
・サービス:自社・相手先双方の移動時間を省ける。
・サービス:移動時間の削減、全国から集まりやすくなった
・サービス:通勤や移動にかかる時間を有効活用できるようになった。
【経費削減に関する回答】
・メーカー:飲食費が減った為、毎月の経費は少なく推移した
・金融:出張旅費等の経費が減った
・小売:出張旅費の削減が顕著
・小売:出張・交通費等経費削減
・ソフトウエア通信:無駄な会食や会議が減った。
・商社:営業経費が激減した(国内外の出張費、交通費)
「書面などでルールを通知した」企業、「勉強会や研修を実施した」企業がそれぞれ約3割
「Q10. オンライン会議やリモートワークに関しての、社内教育、啓蒙活動について、当てはまるものを選んでください」と質問したところ、「書面などでルールを通知した」が33%、「勉強会や研修を実施した」が32%という回答となりました。
・書面などでルールを通知した:33%
・勉強会や研修を実施した:32%
・各部署、組織に任せており全社的には把握していない:24%
・特に何もしていない:9%
・その他:2%
・サービス:緊急事態宣言対応の枠をでていない
オンライン会議、ミーティングは46分~60分の企業が約6割で最多
「Q11. オンライン会議、ミーティングの時間について、社内の平均として当てはまるものを選んでください」と質問したところ、「46分~60分」が57%、「31分~45分」が24%という回答となりました。
・~30分:6%
・31分~45分:24%
・46分~60分:57%
・60分~:13%
87%の企業が、今後もリモートワーク制度の継続の方針
「Q12. 今後のリモートワーク制度の運用について、組織での方針に当てはまるものを選んでください」と質問したところ、「継続する予定」が63%、「積極的に推奨、拡大して継続する予定」が24%という回答となりました。
・積極的に推奨、拡大して継続する予定 :24%
・継続する予定 :63%
・徐々にオフィス出社に戻していく予定 :7%
・制度を中止する予定 :2%
・未定 :4%
※回答企業の内訳
従業員数5001名~:15社、1001~5000名:15社、301~1000名:17社、~300名7社
メーカー:16社、サービス:12社、ソフトウェア通信:8社、金融:4社、商社4社、不動産建築4社、小売3社、運輸2社
まとめ
今回は、首都圏を中心とした企業に対して、テレワークに関する実態調査を実施しました。
まず、6割以上の企業が、日本での新型コロナウイルスの感染拡大時期と重なる2020年からテレワークの導入を始めたことが分かります。
一方で2020年より前から導入をしていた企業も約3割はあったことが分かります。
オフィス、職場への出社日数に関しては特にルールを設けていない企業が67%で最多です。自由度が高い反面、社員個人にとってはセルフマネジメント力が求められ、企業にとっては部署による不公平感やマネジメント上の課題と向き合っていく必要があると言えるのではないでしょうか。
2021年度の売上げに関しては、2019年度(コロナ禍以前)との対比で、下がった企業の割合が多い傾向。一方で純利益に関しては、上がった企業も多いという結果がでました。これは出張にかかる費用や交通費、交際費の削減に起因する結果とみられます。
次に、社員のエンゲージメント、従業員満足度に関しては、48%の企業でポジティブな変化が出ていることが分かりました。一方でネガティブな変化があった企業も21%あり、社内の対話やコミュニケーション不足等の影響に起因する結果とみられます。
オンライン会議の運用では「雑音が入らない環境で行う」が54%と最多、「アジェンダを共有しながら進行」が52%で続くという結果がでました。
なおエンゲージメント、従業員満足度の項目で「ポジティブな反応があった」と回答した企業と「ネガティブな反応があった」と回答した企業では、オンライン会議の運用に関して以下4項目の選択に大きな差が見られました。
①「アジェンダを共有しながら進行する」・・・ポジティブと回答した企業では75%、ネガティブと回答した企業では28%のみが実施。
②「必ずファシリテーター(司会進行役)を選定している」・・・ポジティブと回答した企業では50%、ネガティブと回答した企業では14%のみが実施。
③「冒頭で雑談時間やアイスブレイクを設けてから始める」・・・ポジティブと回答した企業では31%、ネガティブと回答した企業では0%の実施。
④「オーバーリアクションやうなずく等の積極的なリアクションや、反応ボタンの活用」・・・ポジティブと回答した企業では62%、ネガティブと回答した企業では14%のみが実施。
リモートワークの運用では、「フレックスタイム制度を導入」70%と最多、「Web版のカレンダー等を使用」が65%で続くという結果がでました。
なおエンゲージメント、従業員満足度の項目で「ポジティブな反応があった」と回答した企業と「ネガティブな反応があった」と回答した企業では、リモートワークの運用に関して以下3項目の選択に大きな差が見られました。
①「メールや電話の他にチャットを高頻度で活用している」・・・ポジティブと回答した企業では81%、ネガティブと回答した企業では28%のみが実施。
②「グループウェア(Teams等)のステータス設定(連絡可能、離席中等)を活用して勤務状況を共有している」・・・ポジティブと回答した企業では56%、ネガティブと回答した企業では14%のみが実施。
③「ランチタイムや雑談タイム等、会議・ミーティング以外でメンバー同士のコミュニケーションが図れる時間を設けている」・・・ポジティブと回答した企業では56%、ネガティブと回答した企業では0%の実施。
リモートワーク環境下での課題では「コミュニケーション不足」「業務進捗の確認」「残業時間の増加」「ITリテラシー」等に関する課題感が目立つ結果となりました。
反対にリモートワークを導入したことによる好影響については、「ワークライフバランスの充実」「業務の効率化」「経費削減」といった点が挙がりました。好影響やメリットがあることは分かっているものの、コミュニケーション上の課題や、新しい働き方に対するアジャストがまだまだ出来ておらず課題に挙げている企業が目立ちました。
オンライン会議やリモートワークに関しての、社内教育、啓蒙活動については、「書面などでルールを通知した」企業、「勉強会や研修を実施した」企業がそれぞれ約3割ずつという結果になりました。一方で、「特に何もしていない」企業が約1割、「各部署に任せており全社的には把握していない」企業も2割弱と、対応が後手に回っている企業も一定数見受けられました。
また、特徴的な点として「勉強会や研修の実施」の回答にはエンゲージメント、従業員満足度の項目と以下の相関がみられました。エンゲージメント、従業員満足度の項目で「ポジティブな反応があった」と回答した企業のうち5割の企業が勉強会や研修を実施する一方で、「ネガティブな反応があった」と回答した企業では1社もないという結果でした。
オンライン会議、ミーティングは46分~60分の企業が約6割と多数を占め、45分以下や30分以下のショートタイムの会議、ミーティングに取組む企業は少数でした。
そして、今後のリモートワーク制度の運用方針では87%の企業が継続の方針であり、そのうち24%は積極的に推奨、拡大の方針も示しています。単なる新型コロナウイルス対策の一環ではなく、新しい働き方として定着を目指す企業が多いことが分かりました。
今回の調査では、現代の働き方の新たなスタンダードとして定着しつつあるテレワーク、リモートワークについて焦点を当てました。多くの企業が今後のテレワーク継続の方針を示してはいるものの、社内エンゲージメントやコミュニケーションといった観点ではまだまだ課題がみられるという結果になりました。
また、純利益に関しても、出張にかかる費用や交通費、交際費の削減に起因して増加している企業がありますが、今後、テレワークが当たり前になってきた際には、単なる経費削減の視点だけではなく、売上げ増加を目指していかなければ、持続的な利益の増加は難しくなっていきます。
そうした視点で見た時に、社内での教育や啓蒙への取組みは今後より重要性を増していきます。そして、テレワークはあくまでも企業の成長のための一つの手段ということを改めて認識していく必要があるのではないでしょうか。
調査を終えて
今回の調査からは企業におけるテレワークやオンライン会議の運用実態が明らかになりました。今後日本では労働人口の減少や、仕事と介護の両立といった問題がより深刻になってきます。おそらくどの企業でも、優秀な労働力確保のために、社員にテレワークという選択肢を与えていかなければならないフェーズがくるでしょう。そうした段階において「テレワークができます」というレベルの企業と、「テレワークを活用して生産性を向上させています」というレベルの企業では、業績や成長性に大きな差が出てくるのではないでしょうか。
新型コロナウイルスの感染拡大によりテレワークが日本に浸透しはじめてから2年が経過した現在、私たちが仕事で接しているビジネスパーソンの中にも「テレワークになって楽になった」とだけ捉えている方と、「テレワークになって様々な業務の効率が良くなりチャンスが増えた」と捉えている方の二極化が進んでいるように感じます。
企業側としては、もちろん後者を増やしていかなければいけませんし、その為には企業単位、部署単位で、自分達の組織にあったテレワークの運用方法を模索していくことが必要です。他社の成功事例を取入れてみることや、自社で積極的にトライ&エラーを繰り返していくなど、企業の姿勢が試されます。
最後に、テレワークはあくまで企業の成長のための手段です。くれぐれもテレワークを継続することや、単に拡大することが目的にならないようご留意いただければと思います。