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企業として初の研修に取り組むまで。スピード感をもって実施できた秘訣/株式会社Spoon Radio Japan

企業として初の研修に取り組むまで。スピード感をもって実施できた秘訣/株式会社Spoon Radio Japan

目次

株式会社Spoon Radio Japan
HR Representative 山﨑 早百合様


Spoonでは、2016年から音声配信プラットフォーム「Spoon」を提供。日本では2018年に事業を開始しています。グローバル登録者数は2,000万人、累計での3,000万ダウンロードを記録し、本社のある韓国から日本に参入以降、日本での売上比率が全体の60%以上を占めるほどに成長を遂げています。
日本での事業成長にともなう組織拡大を受けての影響から、リーダーの育成が急務となった日本法人では、独自のリーダーシップ研修の実施を決定。日本の文化とは異なるスピード感を持つ韓国本社の期待に応えるべく、急ピッチで研修を実施するまでのプロセスについてお聞きしました。

(文・撮影/藤原 友亮(トリコナッジ))

事業拡大する組織で急きょ生じた社員研修の必要性

——山﨑様が入社したきっかけを教えてください

山﨑 早百合様(以下、山﨑):私自身が韓国語専攻で、韓国好きが高じて留学経験もあったことから、未経験ながら経理担当としての入社を認められました。日本でのビジネスはすでに成長フェーズに入っていて、右肩上がりの成長を感じていました。こうした成長環境というのは、ベンチャーならではの魅力だと思います。とはいえ、当時の日本法人には私を含めてわずか4名で、組織としてのマネジメントやリーダーシップという概念はなかったと思います。

——やがて人事の仕事に変わられたのですね、なぜ研修が必要になったのでしょうか

山﨑:まず、やや特殊な弊社の人事制度を説明する必要があると思います。日本法人は当初フラットな組織で、リーダーが不在でした。マーケティング、人事、リサーチチームとそれぞれ韓国本社に韓国人のマネージャーがいる状態だったんです。ところが日本のビジネスが大きくなるにつれて、逆に日本法人に部署のリーダー役を求められる人材が2人、3人と出てきました。

——マネジメントされる側から、「する側」に変わったということですね

山﨑:そうです。「急に自分がリーダーを任されてもどうすればいいのかわからない」という相談が人事担当の私のもとへ寄せられました。韓国本社の人事部に相談すると、何度か本社でもマネジメント強化の研修に取り組んだとのことでした。そこで、日本でも同様に、なるべく似たような内容で、マネジメントやリーダーシップが学べる研修を実行するように要請を受けたんです。

——動画視聴や良書とされる本を読むなどの社員教育の選択肢はあったかと思います。すぐに研修を実施するのはハードルが高かったのではありませんか

山﨑:部署によっては、指定された書籍が支給されたケースもありました。しかし、やはり研修をやるべきだという声が多かったですね。本を渡したとしても、短期間で読み込むか管理はできませんし、どれぐらい理解されたかは個人差が生じても把握しづらいですよね。
会社としても、なってほしいリーダー像を明確に示すという狙いがあったのだと思います。それには、やはり研修を通じて同じプログラムを受けてもらうほうがいいだろうと。

要請から実施まで2か月弱。スピード感をもって実施できた理由

——研修を依頼する企業の選定はどのように進めましたか

山崎:日本法人として外部講師を招いた前例はなく、私も前職を含めて研修プログラムを組み立てた経験もありませんでした。まずはインターネットで「リーダーシップ教育 講師」などと検索し、多くの企業の情報を集めました。 その中で4~5社ぐらい比較して、かんき出版さんにコンタクトをとらせていただきました。研修の実績が豊富だったこと、また問い合わせからのレスポンスが早かったことにも好感を持ちました。

——研修実施に向けての条件、不安などはありましたか

山﨑:2点ありました。1つめは、研修を受けるメンバーが全員20代後半から30代前半の女性だけだったということです。したがって、女性向けの研修の実績がある方を求めていました。2点めは、本社のある韓国の文化に対する理解は必要だろうと思っていました。その点において、かんき出版さんが推薦してくれた講師自身は男性でしたが、女性リーダーに教えた経験があること、娘さんが現在韓国に住まわれていることを示してくれました。さらに本社からは、単発ではなく継続的な研修を実施するように依頼されていたところ、回数や1回あたりの時間についてもこちらの要望に沿った形でプログラムを組んでくださるとのことでした。こうしたスピード感、柔軟性が正式にお願いする決め手となりました。

——非常にスピード感を大切にされていたのですね。

山﨑:日本企業の感覚で言えば、初めての社内研修をゼロから構築するとなれば、数か月かかっても不思議ではないと思います。成功する見通しが立ってから実行するというイメージですね。一方で韓国では、だいぶカルチャーが異なり、とにかく実行ありきなんです。
「まだか、まだか」と言われていたので、まずは早く形にしてくださるパートナーである必要がありました。いつもスピーディに提案してくださる、かんき出版さんを選んでよかったと思います。

学びとつながりの深さを実感できた

——研修の効果はいかがでしたか

山﨑:全8回のプログラムを半年にわたって実施しました。弊社の意向で、当初予定していたリーダーとなる人材だけでなく、全社員が受講できるように変えていただきました。講師の参加者を巻き込む進行のおかげで、毎回グループワークを中心とした非常に実践的な内容になりました。私自身も、最初から最後まで参加したのですが、特に1on1ミーティングにおける自分が質問する力には、大きな進歩を感じられました。他の参加者からも、学びを深められたという声が寄せられています。

——研修を受けた社員の様子を、本社にもフィードバックされたのですね

山﨑:参加者が研修の中で口にした悩みなどを、本社の人事部にも共有しました。もちろん個人名は明かさずに。すると「現場で日本のみんなが抱えている問題を知れてよかった」と、前向きな反応が返ってきました。 社員のコミュニケーション能力やマネジメントスキルの向上は、長い目で見ると組織の成果につながるはずだと思っています。出来れば今後も、社員のスキルアップや目線を一段あげるような取り組みを継続したいと考えています。

——具体的にこんな研修を実施したい、などのお考えはありますか

山﨑:一例として新卒社員に対するビジネスマナーの指導は、すぐにでも実施したいです。今年初めて新卒社員が入社したのですが、そうした社会人としての基礎的な研修を受けたいという声はあがっています。社内で教えるだけのリソースも確保しづらいので、外的パワーを借りる必要性も感じています。
ただ、弊社では上長の許可があれば、研修やセミナーの受講費を負担してもらえる制度も整っているので、自ら積極的にスキルアップしてほしいです。

——熱心な社員が多い証ですね

山﨑:そうですね。先述のリーダーシップ研修には、韓国本社に勤務しているスタッフからも「参加したかった」という声があがりました。オフライン型の研修だったので、韓国から受講するのは不可能でしたが、嬉しい声だったのは事実です。
今後も企業の成長フェーズに適した教育プログラムは提供していきたいと思います。

——従業員数やその成長過程によって研修を最適化する方法を聞かせていただきました。今日は誠にありがとうございました。

※記事の内容および所属等は取材時点のものとなります。

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