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劇的な変化の時代に対応できる人材づくりのために独自の研修に取り組んだ意図/株式会社東急Re・デザイン

劇的な変化の時代に対応できる人材づくりのために独自の研修に取り組んだ意図/株式会社東急Re・デザイン

目次

株式会社東急Re・デザイン スペースパートナー事業部
事業戦略部 企画チーム マネージャー 通山 信二様
事業戦略部 企画チーム 主任  池尻 英美様


東急Re・デザインは、東急不動産ホールディングスグループの一員として、住宅リフォーム、施設のリノベーションなどを手がけています。なかでもスペースパートナー事業部が得意とするのは、オフィスや店舗、ホテル、病院など多岐にわたる法人施設のデザイン提案から行うリニューアル工事です。
コロナ禍、働き方改革によって、オフィスの機能やデザインがこれまで以上に多様化するなか空間デザインを通じて「新しい働き方」の提案を行っています。会社全体で人事部が実施する研修とは別に、事業部単位で研修を導入した経緯や成果についてお聞きしました。

(文/藤原 友亮(トリコナッジ) 撮影/平瀬 拓)

総論的な研修だけでは時代の変化に追いつけない

——事業部が単独で行う研修と、全社的に行われる研修にはどのような違いがあるのでしょうか

通山 信二様(以下、通山):だいぶ前から、マナー研修やコンプライアンスなど法律にかかわるような、全社共通の研修プログラムは人事部が主導して行っていました。あらゆる職種に関係する基礎的な内容といってよいかと思います。これに対して、スペースパートナー事業部が事業部独自で取り組んできたのは営業系の内容が多かったです。見積書の作り方、お客様の対応力などですね。一度採用された研修プログラムは、3年程度同じ内容が繰り返されていました。

——固定されていたプログラムを毎年刷新するようになったのは、なぜでしょうか

通山:2017年頃から「悠長なことは言っていられない」という危機意識が強くなりました。働き方改革が始まって明らかに時代の変化が激しくなったので、これまでのように総論的な研修を繰り返していても十分ではないと判断されたのです。
「よい研修を提供してくれる事業者を知りませんか」と人事部に相談したところ、かんき出版さんを紹介していただきました。それ以来4~5年ほどお付き合いさせていただいています。一番驚いたのは、いろんなカリキュラムに対応できることです。講師の選択肢も豊富で、弊社のリクエストに対して的確に答えてくれるのは大変心強く感じました。

——かなり幅広く、また特徴的なプログラムを実施されていますね

池尻 英美様(以下、池尻):そうですね。オーソドックスな内容でいえば、チームビルディング研修やコスト意識向上などをお願いしました。やや特殊な内容では、論語や稲盛和夫さんの経営哲学といったビジネスパーソンとしてのマインドを磨く研修も依頼したことがあります。「管理職は経営者としての視点を身につけるべし」という事業部長の発案でしたが、ちょっと変わった要望ほど講師を探しづらいかと思います。それでも必ず複数の候補を出してくださいますし「こんなテーマもできます」と、次々に新しい内容をご提案いただけるのも魅力ですね。

インタラクティブな研修によって生まれた意識の変化

——担当者向け、管理職向けと毎年2種の研修を行っていますね

通山:その2つは実施すると決めています。担当者向けは150名ほど、管理職向けは40~50名程度が参加します。実施する内容のレベルも上がってきていますし、当初は仕事の進め方や生産性向上など個人向けの内容だったものから、チーム作り、さらにチームができたときの管理職の振る舞いなどとストーリー性のある設計をしています。

——コロナ禍で制限の多かった年度も研修は欠かさず実施されました

池尻:何度も議論を重ねましたが、Zoom形式のオンラインで継続することにこだわりました。講師も工夫をこらしてくださったので、社員の満足度が高い研修を実施できたと思います。研修の中にちょっとしたクイズを盛り込むなど、ゲーム感覚で取り組めるものだと、参加しやすいですよね。積極的にグループワークを入れていただけるのも、ありがたいです。

通山:グループワークはすごいですよね。一定の強制力をもってコミュニケーションを促せますし、自分の意見をいうことで確実に学びが深まります。当社の社員は全体的におとなしいというか、恥ずかしがり屋が多いので参加する姿勢をうまく引き出してくれましたね。

池尻:実はグループ分けにも工夫をしています。営業や設計、制作…と職種がバラバラになるようなグルーピングを講師にお願いしてあります。職種を越えた社員のつながりの強化も、研修に期待している役割なんです。

——成果という点ではいかがでしょうか

池尻:最初は身構えている社員が講師の問いかけによって積極的に参加するようになったり、講師の巻き込み方が上手だなと思います。社員のアンケートを見ても、学びが深まったという声は多いので、成果に表れていると感じます。

通山:最近実施したコスト管理を担当してくださった小倉(正嗣)先生の評判はとくによかったです。たとえ話をうまく使って、経理とか利益とか、苦手意識のある社員も多かったのですが研修後に若手社員と会話をしていると、コスト意識がずいぶん変わったなと感じました。営業はつい売上にだけ気を取られがちですが、プロジェクト単位での原価や利益に対しての関心が深まってきたなと、肌で感じているところです。

研修は学びの場であると同時に社員同士がつながる機会

——今後の研修はどのような計画をされていますか?

池尻:短期的な話では、今年度は追加の研修の計画を進めています。ビジネスカジュアルの身だしなみに関する内容をやりたいというアイデアで、まさにかんき出版さんと打ち合わせ中です。

通山:クールビズ、ウォームビズが普及して、ここ数年でトレンドがまったく変わりましたよね。ただし「服装に関する冊子を配って終わり」という方法だってありますが、なぜ研修にこだわるかといえば、やはり専門家の話を直接聞いて、自分たちなりに考えることで学んだ内容が定着するからですよね。コーディネートの基本を楽しく学びながら、社員同士のつながりが深まってくれたら嬉しいなと思います。

——「研修をもっとこうしたい」というイメージはありますか

池尻:以前よりも積極的に参加する社員が増えたと感じていますが、もっと「一緒につくりたい」「一緒に学びたい」という形に進化させたいですね。どうしても受け身になってしまう部分はありますし、いわば通常の業務が中断されるわけなので「仕方なく参加した」という気持ちが生まれがちです。それは恐らくどの組織でも感じている課題ではないでしょうか。

やはり興味深いテーマで、話が分かりやすく、講座の内容もインタラクティブなものだったら、惹き込まれる社員も多いことはわかっています。だから質にこだわって、かんき出版さんのようなプロの力を存分に借りながら、みんなが一緒に成長を実感できる研修を作っていきたいと思います。

通山:私の理想の研修スタイルは、コタツなんです。先ほどもいったように社員同士の横のつながりが大事です。だから普段の仕事ではからまない人同士が1つのテーブルにつくイメージですね。研修をきっかけにして、その後もつながりが続いてほしいと思っています。
大きいテーブルではなく、小さなコタツでお茶やお菓子を囲んで、みんなでワイワイ話すんです。お茶の間のテレビの代わりに研修に取り組むような不思議なスタイルで実施したら、社員の記憶に深く刻まれるはずです。「コタツで学んだことが活きている」「コタツで親しくなった社員同士がコラボレーションをして」といった光景をつくりたいですね。それぐらい質の高い学びと、社内コミュニケーションの可能性を研修には期待しています。

——ありがとうございました。

※記事の内容および所属等は取材時点のものとなります。

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