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女性活躍推進の一歩として管理職1,400名に届けた「対話型」研修の成果/住友電装株式会社

女性活躍推進の一歩として管理職1,400名に届けた「対話型」研修の成果/住友電装株式会社

目次

住友電装株式会社
コーポレート本部 人材開発部 
グローバル人材開発グループチームリーダー 金田 由妃様
 コーポレート本部 関東人事総部 

人事総務グループ 原 夕子様 


ワイヤーハーネス事業をコアとして、世界30以上の国と地域に事業を展開するグローバル企業である住友電装株式会社。数年前に始動した女性活躍推進プロジェクトから、アンコンシャスバイアス分科会が発足しました。無意識下の思い込みが存在することを認めることが、多様な人材が活躍できる働きやすい環境を実現する第一歩と考え、全社的な意識啓発に取り組むこととなりました。なぜ「かんき出版の社員研修」へご依頼いただいたのか、理由と成果についてうかがいました。

(文/蒲原 雄介(トリコナッジ) 撮影/平瀬 拓)

女性活躍推進の壁となるアンコンシャスバイアスに着目

住友電装株式会社 金田様 原様

——会社概要ならびにお二人のお仕事について教えてください。

金田 由妃様(以下、金田):弊社は、自動車用のワイヤーハーネスを主力とする電気機器メーカーで世界的にもトップクラスのシェアがあります。私は入社以降、総務部や法務部でコンプライアンス関係の業務に携わっていましたが、2年ほど前に人材開発部門に異動し、国内外の全社教育の企画・運営を担当するようになりました。

原 夕子様(以下、原):私は関東人事総務部で採用や教育に携わっています。コーポレート部門の中に、本社の人事機能のほか、拠点ごとの人事総務部門がいくつか並列で存在しているというイメージです。金田は四日市本社、私は東京本社におり、ともにアンコンシャスバイアス分科会のメンバーとして、今回の研修にもかかわりました。

——アンコンシャスバイアス分科会が発足したのはなぜだったのでしょうか。

金田:もともとは、女性管理職の比率を上げたいという中期経営計画にも掲げられている目標がありました。ただ比率が低い自動車業界において、数字だけを追求しても、根本的な風土改革にはなりません。そんな中で、女性従業員がいきいきと自分らしく活躍できるような意識啓発が必要であり、その妨げになっているのがアンコンシャスバイアスなのではないかという仮説が浮かび上がってきました。

原:アンコンシャスバイアス分科会の活動を続ける中で、さまざまな従業員の方々と対話を重ねてきました。そのなかで見えてきたのは、これまでの働き方や資格・経験といった過去の要素で、今の意欲や未来の可能性を判断されてしまうケースが意外と多いということです。例えば、育休明けの従業員だけでなく、「あの人はこの領域の経験が浅いから」「家庭もあるし、無理はしないほうがいいだろう」など、周囲の善意の推測が先行してしまう場面もあります。でも当事者には「これから挑戦したい」「中長期でキャリアを描きたい」という思いがあることも少なくありません。「今はこのペースで働きたい」という方ももちろんいますし、その選択が公正に評価されることも欠かせません。対話を重ねる中で、従業員一人ひとりが自分に合ったスタイルで力を発揮できることこそが、エクイティの実現につながると感じるようになりました。

——アンコンシャスバイアス研修を実施するにあたり、どのように検討を進めたのですか。

金田:「アンコンシャスバイアス」という言葉自体は、決して新しいものでないと思います。でも、日常会話の中で意識することは、私自身もほとんどありませんでした。また、過去に外国人スタッフのマネジメントが求められる駐在員を対象に研修を実施したことはあったのですが、今回は1,400名もの管理職向けということで、規模が大きく異なります。そのため、どのような方法で、どんなことを伝えるのが効果的なのか、インターネットなどを使って1から調べ直しました。

原:研修会社を調べるだけでなく、他社で実施した事例を集めたり、オンラインでできる診断テストを受けてみたり、イメージをつかむまでには時間がかかりましたね。

――以前に実施していたアンコンシャスバイアスをテーマにした研修とは、どのような内容でしたか。

住友電装 金田様金田:弊社は、アジアや北南米、ヨーロッパなど世界中に海外拠点があります。以前より、そうした海外拠点の駐在員向けに「ハラスメント防止のためのアンコンシャスバイアス研修」を行ってきました。駐在員同士、駐在員と外国籍スタッフ間、あるいは外国籍スタッフ同士のハラスメントを予防し、働きやすい職場をつくるうえでの想定だったため、アンコンシャスバイアスとは言っても、事例の範囲が狭く、従業員が講師を務めました。これに対して、今回は検討する背景にあったのが「女性活躍」であり、より広い視野でアンコンシャスバイアスについて考えてもらう必要がありました。

また、受講対象を管理職全体へと広げることによって、現場ごと、個人ごとの課題意識が見えづらくなる懸念もありました。そのため今回は、社内事例だけでなく、一般的な事例も含めて幅広く紹介してくださる外部講師の方にお願いしたいと考えたのです。

対話重視の研修にカスタマイズできる点が「かんき出版の社員研修」の魅力

——「かんき出版の社員研修」に依頼することになった経緯を教えてください。

原:弊社には「対話を重視しよう」という社内風土があります。アンコンシャスバイアスをより自分事として捉えてもらうためには、一方的に知識を伝えるようなパッケージ化された研修はマッチしないだろうと想像しました。弊社の実情やレベルに応じて研修をカスタマイズすることや、グループディスカッションやグループワークを多く取り入れることは必須だと思ったのです。

営業ノウハウや技術セミナーのように業務に直結するテーマではないため、一方通行のような研修では従業員の中に「やらされ感」が生まれやすいのではないでしょうか。実際、これまで実施してきた別テーマでの研修も、対話形式のほうがうまくいった事例があります。かんき出版さんは、そうした希望にご対応いただけそうだったことが、最大の決め手だったと言ってよいと思います。

金田:提案していただいた内容が、「女性活躍」というキーワードと親和性が高かったこと、サポート対応の的確さに安心感と信頼感を覚えたことも、決め手の一つです。また、講師の著書を予習や復習に活用できるのは、理解向上のためのメリットになると思いました。

——研修内容や形式をカスタマイズしていく中で、印象的だったことはありますか。

原:1,400名に対して「オンラインかつ対話型」で研修を行うにあたり、トータルの回数や1回あたりの受講人数の上限について悩んでいたのですが、かんき出版さんから多くのアドバイスをもらいました。投票機能やチャット機能など、オンラインならではの機能をうまく取り入れつつ、1回150名で実施した実績もあるとお聞きしたのは、とても心強く感じました。結果的に今回は、全12回に分けて実施しました。各回の運営では、かんき出版ご担当者の励ましや見守りに支えていただき、オンライン研修を安心してやり遂げることができました。

金田:内容のカスタマイズについては正直、そこが一番不安でした。「やってみなければわからない」という本音があったのも事実です。そのため、最初にカスタマイズした内容で全12回分を繰り返すのではなく、スタート後には随時振り返りを行うこととしました。グループディスカッションで出た意見や、私たち人事がヒアリングした内容を講師に共有し、改善策を相談するためです。後半に実施した研修のほうが、受講生の満足度が高かったこともアンケートで明らかになっており、この工夫の成果だと思います。同じ内容で固定するのではなく、弊社の要望に合わせて柔軟にご対応いただけたことには、本当に感謝しています。

日常会話に変化が生まれ、意識改革の第一歩を踏み出せた

——研修を終えて、従業員の反応や手応えはいかがでしょうか。

金田:従業員同士の会話の中で、アンコンシャスバイアスという言葉が自然と出てくるようになったと思います。実際に、研修後のアンケートにも多く書かれていました。行動や価値観をすぐに変えることは難しいですが、「今の発言はアンコンシャスバイアスだったかな」と感じて、日常のちょっとしたモヤモヤ感や違和感にアンテナを張れるようになったのは大きな変化だと感じています。ほかにも「アンコンシャスバイアスについて知らなかったが、内容を理解できた」「双方向参加型だったので能動的に参加できてうれしい」「ブレイクアウトセッションでは、管理職同士で対話をしたり、悩みを共有できたりしたのがよかった」などの感想がありました。

——今回の研修を経て、どのような変化や期待を感じていますか。

原:会社としてパーパス経営を掲げている今、「一人ひとりの力をどう活かすか」は欠かせないテーマです。今回の研修では、管理職の方々が「配慮しなければいけない」という発想から、「その人の強みや意欲をどう支えるか」へと視点を広げるきっかけになったと感じています。思い込みで先回りせず、まずは本人の意欲や希望を確かめる。そのうえで、短期ではなく中長期でキャリア形成に伴走する。そんな対話が広がっていけば、従業員それぞれが自分らしく成長し、組織としても多様な力を最大化できる風土づくりへ前進していくと期待しています。

金田:このような気づきも社外のプロの講師に依頼したことのメリットだったように思います。社内同士の研修だと、どうしても「従業員として」という視点に偏ってしまいます。しかし「人として」「親として」「妻として」「夫として」など、それぞれの立場で気づきを得られた人が多かったのも、社外の講師ならではだったのではないでしょうか。さまざまな質疑応答に対して専門的な知識をもとにレスポンスしていただけたのも、満足度の向上に貢献したと思います。

——最後に、今後の展望についてお聞かせください。

金田:研修終了後、管理職だけでなく一般従業員にもアンコンシャスバイアスに関する意識を浸透させたいと思い、社内広報の取り組みなどを新たに実施中です。それにより全社的な意識が変わり、女性たちがよりいきいきと活躍できる職場になることを願っています。このときも内容をかんき出版さんにチェックしていただき、誤解が生じないような表現への修正へとアドバイスをいただきました。

研修や今後の取り組みにおいて学んだことを、社内の仕事に活かすだけでなく、自分の人生全体を考えたり、家族のことを思いやったりするきっかけにしてもらえたら嬉しいです。このように意識改革の第一歩を踏み出せたので、今後は1on1での対話の仕方など、次なるステップの研修プログラムも仕掛けていけたらと思っています。

——研修テーマが知識を表面的に学ぶだけでは深い理解につながりにくい内容でした。だからこそ、講師も含め柔軟なプログラム編成が効果的な研修を実施するカギになるのですね。ありがとうございました。

※記事の内容および所属などは取材時点のものとなります。

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