目次
東芝プラントシステム株式会社 総務部人事勤労部
採用・教育担当 グループ責任者 加藤 直子様
採用・教育担当 折舘 綾子様
東芝プラントシステム株式会社は、発電所や上下水道、交通システム、空港設備など社会インフラの設計・建設・保守を手がけています。約3,000名の社員のうち8割がエンジニアという技術者集団です。近年は人事制度の見直しが進められ、求められる人材育成のあり方にも変化が表れています。その一環として企画された管理職約300名を対象としたキャリアデベロップメント研修で、なぜかんき出版の社員研修を選んでいただいたのか、研修パートナーに何を求めたのか、実施後の手応えとともにお聞きしました。
(文/蒲原 雄介(トリコナッジ) 撮影/平瀬 拓)
・エンジニア集団ならではの、部下との向き合い方の難しさとは
・管理職総勢300名にキャリア研修を導入した理由
・8回の研修を回すごとに進化させた、カスタマイズ伴走支援の取り組み
ルールを守る力と変化に対応する力の両立が社員に求められる時代へ
——会社概要について教えてください。
加藤 直子様(以下、加藤):当社は東芝グループの中でも社会インフラに特化しています。原子力発電所や火力発電所の設計・建設・保守をはじめ、全国の上下水道や交通システム、空港設備などを下支えしています。最近はカーボンソリューション事業、ビルや工場といった産業分野にも注力しています。あらゆる施設の電気設備や機械設備など「心臓部分」を、当社のエンジニアたちが支えています。
——お二人はどのような経緯で現在のお仕事を担当されるようになったのでしょうか。
加藤:2004年から約20年、主に採用の業務に携わってきました。人材教育を担当するようになったのはここ数年のことです。現在は、採用および教育の分野を統括する立場を任されています。一方、折舘は私よりも長く教育に携わってきました。
折舘 綾子様(以下、折舘):私は出産を機に一度退職した経緯があり、その後グループの関係会社に復帰し、2019年頃から教育関連の業務をお手伝いするようになりました。2022年に会社体制の変更を経て、現在に至ります。加藤の話にあったように教育担当としては私が現在のメンバーで最も長く、かんき出版さんのようなパートナー企業とのやり取りを含めた業務を担当してきました。
——人材育成における課題感をお聞かせいただけますか。
加藤:現在、人事制度の見直しを進める中で、それに合わせる形で教育プログラムの刷新にも取り組んでいます。
当社は、プラントの設計・建設だけでなく、長期にわたる保守まで担っていることから、何十年先を見据えた安全性の追求が不可欠です。こうした事業特性を踏まえると、ルールを守り、着実に業務を遂行する力は、社員に欠かせない基本能力であると言えます。
折舘:一方、近年は自立性や主体性といったキーワードが重視されるようになりました。ルールを守り決められたことを確実にこなす従来型の教育に加え、自ら考え、判断し、行動できる人材を育てる教育が必要になってきました。
加藤:現場社員だけでなく管理職に求められる役割も変化しています。以前は上司の方針に沿ってチーム全体で動くことが前提でしたから、社員の個性を意識しなくてもマネジメントは成り立っていました。しかし今は、育児休業を取得する社員、介護をしながら働く社員、仕事に全力を注ぎたい社員など、それぞれの状況や価値観に合わせた対応が求められます。
しかし、管理職が部下一人ひとりのキャリアの方向性について一緒に考えるという取り組みは、これまで十分に行われてこなかった面があります。多くの管理職自身も、そうしたマネジメントを受けた経験が少なく、社内に手本となる存在が見えにくいのが実情です。そこで新任の管理職だけでなく、既存の管理職も含め、部下のキャリアを描くための視点や関わり方を学ぶ機会を設けることが大切だと考えました。
管理職研修のパートナー選定で重視したことは研修のカスタマイズ性
——具体的にどのようなプロセスで管理職向けの研修を企画したのでしょうか。
折舘:管理職がメンバーのキャリア開発を支援できる姿を目指し、研修のテーマはキャリアデベロップメントに設定しました。すでに管理職として活躍している社員も含めると、対象は約300名にも及びます。まず複数の研修会社さんにお声がけして、提案をいただくこととしました。それぞれの提案内容を並べて比較検討し、評価していくプロセスです。
加藤:選定で重視したのは、提案内容が当社の課題やレベル感に合っているかです。出来合いのプログラムをそのまま持ち込むのではなく、当社の実態に合わせたカスタマイズができるかは、重要な判断材料でした。また、内容の濃さと金額のバランス、いわゆる費用対効果も考えなくてはなりませんでした。
——かんき出版の社員研修を選んでいただいた決め手は何だったのでしょうか。
加藤:かんき出版さんと他社の違いは、初回の打ち合わせから講師の方が同席して「こういう内容はどうか」と具体的な議論ができた点です。他社では、すでにでき上がったプログラムの資料が送られてきて、その中から選ぶという流れになることが多いため、その差は大きかったですね。
折舘:提案をいただくまでのスピードも圧倒的に早かったです。すぐに「この内容がいい、それならこのような講師を推薦できます」などと具体的な提案が返ってきました。そして、講師の知識の豊富さにも驚かされました。こちらが漠然としたテーマを投げかけても、さまざまな角度から具体的なアイデアを返してくださる。こちらの課題に深く入り込んで一緒に考えてくださる姿勢が心強かったです。
加藤:従来とは違う視点からキャリアを捉えた研修内容も魅力でした。ありきたりな内容ではなく、「こういう切り口もあるのか」と新鮮に感じられる提案をいただけたことが、選定の決め手になりました。
——加藤様も管理職の1人として実際に研修を受けた立場でもあります。感想はいかがだったでしょう。
加藤:ご提案いただいた際のコンセプトは「部下を導く立場だからこそ、まず自分自身を深く理解することが大切」という内容でした。マネジメント研修というと、部下への接し方やコミュニケーション手法を学ぶイメージがありましたので、少し意外に感じていました。
ただ、ワークを通じて自分のキャリアを振り返ってみると「自分が何を大切にしてきたのか」「どんな経験が今の自分をつくっているのか」を改めて言語化する機会になりました。そうした自己理解があってこそ、部下にも同じ視点で「あなたは何を大切にしたいですか」と問いかけられるようになる気がします。研修を通じて、学ぶ順序が重要だと再認識することができました。
折舘:他の受講者からも「今まで考えたことがなかった」「自分を客観的に見る機会になった」という声が多く聞かれました。
——研修を実施する際にはワークを重視されていますか。
折舘:やはり一方的に講義を聞くだけでなく、自分で手を動かして、意見を交換することで学びが深まります。一人きりで文字にして終わりにするのではなく、仲間とワークに取り組むことで考えを整理し、他の参加者と共有するプロセスが学びの定着につながるのは間違いありません。
加藤:eラーニングなど一人で学ぶ方法もありますが、対面の研修には独自の価値があると感じています。また研修はどうしても時間がしばられるため「忙しいのに面倒だ」と思っている社員がいるのは否定できません。それでも、受講後は「参加してよかった」「他の人と話ができてよかった」という声がかなり多く返ってきます。これもアウトプットができる機会ならではの効果だと思います。
回を重ねるごとに進化する研修を通じて実感できたパートナーの価値
——参加者が多く回を分けて開催したとお聞きしました。振り返っていかがでしたか。
折舘:全部で8回開催することとなりましたが、その都度、研修内容をアップデートできたことが有意義だったと思います。毎回アンケートを取り、受講者の回答をもとに次回の内容を調整しました。たとえば「年齢が上である部下との接し方に悩んでいる」という声が多く寄せられたため、それを受けて次回のロールプレイを行う際、実際に年上の部下がいるという想定のシチュエーションに変更していただきました。かなりリアリティのある研修になり、受講者からの反響は大きかったです。
加藤:講師とかんき出版の担当者が密に連携してくれていることが、メールのやり取りからも伝わってきました。研修が終わった後も「どうでしたか」「次回はこう改善しましょうか」と丁寧にフィードバックをいただけたのも、さすがの対応でしたね。
——この他、かんき出版の社員研修に依頼された事例についても教えてください。
折舘:次世代リーダー向けの研修もお願いしています。当社では幹部候補向けの選抜研修があり、その次の層に向けた研修も重要なのです。階層ごとに求められるスキルやマインドが異なるので、それぞれ最適な研修内容を設計する必要があります。
加藤:かんき出版さんは「この層にはここまでの深さで」「この層にはこういう手法で」と、レベル感をきちんと把握した上で提案してくれます。これまでの実施内容に加えて、今回注力したいポイントを伝えると、その隙間を埋めるような内容と講師を提案してくれます。この絶妙な提案力を「針の穴を通すようなコントロール」と社内で評しています。
折舘:次世代リーダー研修は6名という少人数で実施していますが、SWOT分析を用いた戦略シナリオの検討など、実践的なプログラムを提供していただいています。少人数だからこそ、講師の方が個別の意見を丁寧に引き出してくれ、参加者も活発に発言しています。
かんき出版さんは、こちらの課題把握が漠然としている段階でも、ヒアリングを通じて引き出してくれます。的確に整理した上で最適な研修プログラムを提案していただけるので、こちらのやりたいこととしっかり噛み合うのが頼もしいですね。
自ら考え、動ける人材を育てるために。教育は今後も重要テーマ
——今後の人材育成について、どのようなお考えをお持ちですか。
加藤:当社はいわゆる就職氷河期世代が少なく、若手人材に早い段階から中核を担ってもらう必要があります。それをただ期待して待つだけでなく、成長を後押しする教育プログラムを積極的に提供していきたいと考えています。
100年以上の歴史がある会社ですから、変化や革新には難しさもあります。しかし10年、20年かけていたら間に合いません。スピード感を持って取り組んでいく必要があると感じています。
——かんき出版の社員研修に今後期待することはありますか。
加藤:世間一般で言われるマネジメントと、当社に必要なマネジメントは少し違うと思っています。部下が全国の現場に散らばっていたり、海外に出ていたりすることも当社では珍しくありません。目の前にいない部下のマネジメントには、また特別な難しさがあるはずで、こんな当社ならではの課題に応える、オリジナルの教育を一緒に考えていただけると嬉しいです。
折舘:これからも新しい課題は出てくると思います。その都度、一緒に寄り添っていただける関係を続けていきたいです。いろいろと相談させていただける存在として、今後もお力添えいただければと思っています。
加藤:自ら考えて、解決策を見つけて、実行できる。そういう社員が一人でも増えていくことが、これからの会社の力になると思っています。今年は社内でも「教育イヤー」として注目される年になりそうです。私たち採用・教育担当グループ自身が率先して変化を起こしていきたいです。
——課題の整理段階から気軽にご相談いただけていることを、私たちもありがたく感じております。ぜひ今後ともよろしくお願いいたします。
※記事の内容および所属等は取材時点のものとなります。
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