目次
はじめに
「研修をやったのに、現場が変わらない…」
そんな経験はありませんか?
大手企業では特に、「毎年恒例の研修を実施すること」が目的化しがちです。
ですが、本来のゴールは「研修を受けたかどうか」ではなく、「研修で学んだことが社員の行動や組織の成果につながったか」にあります。
そこで今回は、研修効果を最大化するための 3つのポイント を中心にご紹介します。
1. 研修の目的は「実施」ではなく「人材の行動変容」
「新入社員研修をやったのに、仕事のやり方が変わらない」
「管理職研修に多額の費用を投じたのに、組織課題が改善されない」
こうした悩みは多くの人材開発担当者に共通です。
研修はやっただけでは形だけのイベントになりがちです。
本来は、社員の行動変容を促し、組織の成果につなげる 戦略的な人材投資 であるべきです。
だからこそ「効果をどう測るか」が大切になります。
2. なぜ今、研修効果測定が人材開発で欠かせないのか?
研修効果測定は、単なる事後評価ではなく、企業経営に直結する重要なプロセスとして注目されています。
背景には次の変化があります。
- 人材の流動化
転職が当たり前になり、社員に「この会社で働き続けたい」と思ってもらえる育成が必要になっています。 - ビジネス環境の変化
VUCA時代に必要なスキルは日々変化します。研修が行動に結びつかないと、市場変化に対応できません。 - 人的資本経営の注目
従業員を「資本」として捉え、その価値を最大化する考え方です。研修効果測定は、投資の成果を数値で示す有効な手段となります。
3. 研修効果測定の必要性とメリット
効果測定は、研修を可視化し、次の施策へつなげる PDCAサイクルの起点 です。

- 投資対効果(ROI)の明確化
研修費用がどの成果につながったかを示し、社内承認や予算確保に役立ちます。 - 研修の改善に直結
効果的な部分と課題を切り分けることで、次回の研修をより実践的に改善できます。 - 社員のエンゲージメント向上
研修後のフォローがあることで、「会社が自分の成長を本気で考えている」と社員に伝わります。
4. 【3つのポイント】効果測定を成功させる具体的手法
ポイント①:数値で客観的に評価する
組織のパフォーマンス:離職率、昇格者数、残業時間
業務成果:売上、新規顧客数、クレーム件数
個人の行動:トラブル発生件数、ハラスメント件数、過去データや受講者/未受講者比較で効果を深掘りできます。
ポイント②:アンケートで社員の本音を把握する
事前アンケート(例):課題や期待を把握する
以下サンプルです。
1.あなたの仕事の状況について教えてください
| 研修テーマ例 | 定量項目例 | 入力欄 |
|---|---|---|
| 業務効率化 | 会議の所要時間(分) 1か月の作業残量(未完タスク数) | |
| コミュニケーション | チーム内の意思疎通回数(週あたり) 1か月の報告漏れ件数 | |
| リーダーシップ | チーム目標達成率(%) 部下育成の進捗状況 | |
| 問題解決力 | 課題対応にかかった時間(平均) 未解決課題件数 |
2.仕事上の悩み、課題を教えてください
| 研修テーマ例 | 悩み・課題(チェック項目例) |
|---|---|
| 業務効率化 | □ タスクの優先順位付けに悩んでいる □ 時間の使い方に困っている □ 会議の準備や進行に課題がある □ その他 |
| コミュニケーション | □ 上司への報告や相談がうまくできない □ 部下への指示やフォローに困っている □ 同僚と協力して仕事を進めるのが難しい □ その他 |
| リーダーシップ | □ チームの目標や進捗管理が難しい □ 意思決定に時間がかかる □ 部下やメンバーのモチベーション管理に困っている □ その他 |
| 問題解決力 | □ 課題の本質がつかめない □ 仮説立案 ⇒ 検証が難しい □ アイデアや解決策がなかなか浮かばない □ その他 |
研修直後アンケート(例):満足度や実践意欲を確認する
以下サンプルです。
【関連性の確認】
この研修は自分の仕事に関連していましたか?(はい/いいえ/どちらともいえない)
【実用性の評価】
この研修は自分の仕事に役に立つと思いますか?(はい/いいえ)
a. いいえの場合は理由を教えてください (自由記述)
【活用可能性の判断】
研修で学んだことを自分の仕事に活用できそうですか?(はい/いいえ)
a. 「はい」の場合、いつ、どのような場面で活用したいですか? (自由記述)
b. 「いいえ」の場合、その理由をお聞かせください (自由記述)
【学習成果の確認】
この研修で学んだこと、得たことは何ですか? (自由記述)
【満足度評価】
研修全体の満足度を5段階で評価してください。(5点満点)
事後アンケート(例):半年後・1年後に学びの定着度を測る
以下サンプルです。
1. 研修で学んだことを仕事で活用しましたか?
以下のいずれかを選択してください。
① 活用しなかった
② 活用し、結果が出た
③ 活用したが、まだ結果が出ていない
2. 1で「① 活用しなかった」と回答した方へ
・研修で学んだことを活用しなかったのはなぜですか?
・どのような支援があれば、活用できたと思いますか?
3. 1で「② 活用し、結果が出た」と回答した方へ
・いつ、どのような場面で活用しましたか?
・その結果、どのような成果が出ましたか?
4. 1で「③ 活用したが、まだ結果が出ていない」と回答した方へ
・いつ、どのような場面で活用しましたか?
・今後、どのような結果が出そうだと考えていますか?
現場での実践度把握を長期で実施すると、社員は「会社が本気だ」と感じます。
ポイント③:中長期的に改善を繰り返す
半年後:スキル研修は変化が見え始める
1年後:スキルは定着、マインド研修はフォローアップの時期
3年後:施策の刷新を検討
3年を1タームと考え、PDCAを回し続けることが重要です。
5. まとめ:研修を「戦略的な人材投資」に変えるために
研修効果測定は、ゴールを「実施」から「社員の行動変容」にシフトさせる鍵です。
- 数値で可視化
- 社員の声を拾う
- 中長期で改善
この3つを押さえるだけで、研修は単なる社内イベントから 企業成長を加速させる戦略的人材投資 に変わります。
6. かんき出版の社員研修が選ばれる理由
- 出版社ならではの知見
最新トレンドを反映した研修で、変化に強い人材を育成。 - ベストセラー著者による直接指導
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理解度・活用度・定着度を可視化し、半年〜5年の長期フォローで学びを定着。
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