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OJTを導入しているものの「トレーナーが忙しく、指導する時間がない」「トレーナーと新入社員の世代間ギャップが大きく、意思疎通が難しい」といった課題を感じていませんか?
OJTは、現場での実践を通じて人材を育成する手法です。しかし、その運用が適切でなければ、かえって新入社員の成長を妨げたり、早期離職につながったりするリスクもあります。
本記事では、OJTがうまくいかない主な原因と育成効果を高めるためのポイントを、年間960件以上の研修実績を持つかんき出版の社員研修が解説します。OJTの仕組みを見直したい人事・研修担当者の方は、ぜひ参考にしてみてください。
OJT(On-the-Job Training)とは
OJTとは、「On The Job Training」の略称で、実際の職場で実践しながら必要な知識やスキルを身につける研修手法のことです。OJTの育成担当者を「トレーナー」、OJTを受ける対象者を「トレーニー」と呼びます。一般的に、新入社員や若手社員を受講対象とし、先輩社員がトレーナーとして実務を指導します。
OJTに対して、実務の現場を離れたところで行う研修手法のことを「Off-JT研修」といいます。人事担当が用意した研修や、社外の研修会社が提供する研修を受講し、ビジネスを遂行する上での必要な知識やスキルを取得します。
OJTを実施する目的
人材の早期戦力化
OJT研修は、実際の業務を通じて実践的な知識やスキルを得られるため、人材の早期戦力化につながります。業務に対してすぐにトレーナーからフィードバックを得られるので、成長しやすくなります。状況に合わせて臨機応変に対応する経験も得られます。
定着率向上
新入社員は、職場環境や仕事内容などでわからないことが多く、不安を感じています。人間関係も構築できていないため、困ったことやわからないことをなかなか相談できずに、自分自身で抱え込んでしまいます。OJT研修を行うことで、トレーナーとの間にコミュニケーションが活性化し、安心感が生まれ、新入社員が孤立することを防げます。また、新入社員の不安が解消され、モチベーション向上や定着率のアップにもつながります。
OJTのメリット/デメリット
OJTは教えられる新入社員だけでなく、教えるトレーナーや企業にもメリットとデメリットがあります。
| メリット | デメリット |
・実務を通じて、座学では習得できない実践的なスキルや知識を学ぶことができる | ・現場社員のリソースがトレーナーとしての教育に割かれ、業務に影響がでる可能性がある |
OJTとOFF-JTをどう組み合わせる?
OJTと並んでよく活用される育成手法が、OFF-JT(Off-the-Job Training)です。OFF-JTとは、研修やセミナーなど、通常業務の場を離れて行う学習機会を指します。
2つの手法の効果的な組み合わせ方の一例として、「OFF-JTで基礎知識をあらかじめ習得し、その後のOJTで実務に落とし込む」という流れがあります。たとえば、ビジネスマナーや業務全体の概要は集合研修で学び、実際の業務はOJTを通じてプロジェクトに参加しながら習得するといった設計です。
人事・研修担当者は「何を、いつ、どちらの手法で学ばせるか」を計画的に設計することが求められます。現場主導のOJTと研修担当が設計するOFF-JTが連動して機能する仕組みを整えることが、人材育成の質を高めるうえで重要といえるでしょう。
OJTがうまくいかない・放置されてしまう理由
OJTにおける放置とは、トレーナーが十分な指導を行えず、トレーニーが必要なサポートを受けられない状態を指します。
こうした状態に陥る背景には、トレーナー個人の問題だけでなく、組織的な仕組みの不備が深く関わっています。OJTがうまくいかない主な原因として、以下の5つが挙げられます。

OJTを担当するトレーナーのスキルが不足している
OJTのトレーナーには、業務知識だけでなく、相手の理解度に応じて伝える「教える力」も求められます。しかし、業務上で優れた成果を出している社員が、必ずしも指導に長けているとは限りません。
事前研修や指導マニュアルの整備なしにOJTを現場任せにしてしまうと、トレーニーの成長が停滞するだけでなく、トレーナー自身も「うまく教えられない」という焦りや負担を抱えることになります。OJTの担当者に対しても、指導スキルを高める機会を定期的に提供することが重要といえるでしょう。
トレーナー側が通常業務とOJTを両立できていない
OJTトレーナーは、自身の通常業務と並行してトレーニーの指導を担わなければなりません。特に中堅社員は業務量が多く、十分な指導時間を確保できないケースも少なくありません。
「とりあえず隣で見ておいて」「あとで教えるから」という状態が日常的に続くと、トレーニーは実質的に放置された状態になります。OJTをトレーナー個人の努力に委ねるのではなく、トレーナーの業務量を調整するなど組織として指導の時間・リソースを確保する仕組みを整えることが求められます。
教える内容がトレーナーによって異なる
OJTは個別指導であるがゆえに、指導内容がトレーナーの経験や価値観に依存しやすい傾向があります。「自分が若手のころにこう教わったから」「このやり方でうまくいったから」という視点で指導が進むと、新入社員が習得できる内容にばらつきが生じます。
組織として「何を、どのレベルまで教えるか」を明確に定め、共通の育成計画や指導マニュアルを整備することが、この課題への有効な対策といえるでしょう。
OJTのトレーナーを評価する仕組みが整っていない
OJTがうまくいかない背景には、トレーナーの指導実績が正当に評価されず、指導の質が属人的なまま改善されないという問題もあります。トレーニーの成長度合いやトレーナーの指導内容を把握・フィードバックする仕組みがなければ、問題が起きていても表面化しにくく、改善につながりません。
たとえば、トレーナーとトレーニーの定期面談の記録を人事や上長が確認する、トレーニーから育成満足度を定期的にヒアリングするといった取り組みだけでも、指導の質の底上げに効果的です。
ハラスメントを過度に意識している
職場でのハラスメントへの意識が高まる中、「厳しく指導したらパワハラと言われるのではないか」「踏み込んだフィードバックは避けておこう」と萎縮してしまうトレーナーも増えています。
指導をためらうあまり必要なフィードバックが行えないと、新入社員の成長機会が損なわれることになります。トレーナーが自信を持って指導に臨めるよう、何がハラスメントにあたり、何が正当な指導であるかを組織として明確に示すことが大切です。
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OJTの基本的な4ステップ「4段階職業指導法」
「4段階職業指導法」とは、「Show」「Tell」「Do」「Check」の4つのステップで仕事に必要な知識やスキルなどを習得させ、スピーディーに能力を高める指導法です。4ステップを1つのサイクルとして、OJTで設定した目標レベルに達するまで、繰り返し実施します。
トレーナーとトレーニーが一緒に改善策を考えることで、さらに知識やスキルを習得でき、モチベーション向上の効果も期待できます。
| Show(やってみせる) | 実際に仕事をやってみせて、仕事の全体像を把握させる |
| Tell(説明する) | 仕事内容を具体的に説明し、仕事の必要性や意味を理解させる |
| Do(やらせてみる) | 実際に仕事をさせる |
| Check(評価・追加指導する) | 「Do」で実施した際にできた点とできなかった点を、それぞれ評価・追加指導する |
効果的なOJTを実施するポイント
育成計画をしっかり立てる
誰に、どの能力を、いつまでに、どのレベルまで、どのような方法で学んでもらうのかという育成計画や目標を設定します。OJTを行うことで、「どのような人材に育てたいのか」「どのようなスキルをどのレベルまで習得させたいのか」「いつまでにそのレベルに達してほしいか」など具体的な目標を立てます。「一人前になる」などの曖昧な目標ではなく、定量的に評価できる指標としましょう。育成が計画通り進んでいるか、状況を確認してフォローするような仕組みもつくります。
現場に任せきりにせず職場全体で取り組む
効果的なOJTを行うためには、現場に任せきりにしてはいけません。経営層や人事部門も積極的に関わり、会社の目的にあった人材育成の方針を明確にします。トレーナーだけに指導をさせるのではなく、職場全体で育成のサポートを行うことで、トレーナーの物理的・心理的負担を軽減できるだけではなく、トレーニーにとってもさまざまな人から学ぶことでさらにスキルの向上につながります。
適切なOJTトレーナーを人選し、育成する
トレーナーの人選と育成もOJT成功の重要な要素です。実務において優れた成果を出している人材が、トレーナーとしての指導力にも長けているとは限りません。優秀さだけではなく、本人の適正、トレーニーとのコミュニケーションを円滑にできるかどうかなども考慮した上で、トレーナーを選出しましょう。
また、指導内容が属人化しないよう、指導マニュアルを作成したり、トレーナーとしての心構え、ティーチングとコーチングなどのスキル、褒め方・叱り方などを研修で学ぶ機会を提供したりすることが求められます。
最近の新入社員・若手社員の傾向を理解する
新入社員・若手社員を育成するにあたり、彼らが育ってきた環境や社会情勢を理解する必要があります。
コロナ禍以降の社会や生活様式の急激な変化や、将来不安の高まりなど、不安定な社会情勢を目の当たりにしている世代で、現実主義の人が多い傾向にあります。アナログからデジタルへ急速に変化し、スマートフォンやSNSが普及しました。文字でのコミュニケーションが主流となり、周りの空気を読むことを優先し、本心は気の知れた一部の友人にのみ明かすようになっていきました。学習指導要領も変わり、成績が相対評価から絶対評価に切り替わったことで、1番を競うことが少なくなりました。
これらのような環境で育った新入社員・若手社員は、次のような傾向があります。
・安定を好み、リスクを避ける
・プレッシャーに弱い
・苦手な人との人間関係構築が苦手
・承認欲求が強い
・自発的に行動するよりも相手からのアクションを待つ
OJTの効果を高める研修プログラム
OJTトレーナー&トレーニーご一緒研修
OJT制度が職場内で確実に機能し、育成文化として定着するまでには様々な障害が存在します。OJTトレーナーとトレーニー合同で研修を受講していただくことで、コミュニケーションを活性化させ、「ご一緒研修」で得た多くの気づきを共有することができます。OJT制度を機能させるきっかけづくりを本研修を通じて支援します。

離職防止のためのOJTトレーナー育成研修
長年、入社3年以内の離職率は大幅な変化はありません。しかし、辞める人の質が変わり、優秀な人から辞める傾向があります。早期離職の三大要因は「存在承認」「貢献実感」「成長予感」。早期離職のデータから導き出した新入社員を辞めさせない育成のポイントを学べます。

性格タイプ別習慣術を用いたOJTトレーナー育成
人それぞれ行動と動機タイプの傾向が異なります。新入社員の行動や動機特性に合わせて、時間管理、目標達成、モチベーションマネジメント、行動支援を行っていく必要があります。行動×動機マトリックスを活用し、トレーナー自身と新入社員のタイプを把握した上で、個々の新入社員に最適なOJT育成を実施できるようになります。

OJT・部下指導コミュニケーション研修-アンガーマネジメント×アドラー心理学
部下と円滑なコミュニケーションをとり、モチベーションを高めてもらうにはどうしたらいいか。アンガーマネジメントとアドラー心理学をベースにし、価値観の違いを認め、聴き上手であること、原因志向ではなく目的志向であること、論点を明確にメッセージを発信することを学びます。新入社員に自発的に動いてもらうためにはどのような伝え方をしたらいいのか、「勇気づけ」と「褒める」の違いと実践の仕方、「叱り方」を習得します。

「“できる社員” を育てる「教える技術」
「部下の育て方が分からない」や「何度教えても行動が変わらない」そのような悩みを抱える管理職・リーダーに向けた研修プログラムです。
意思や能力ではなく人の行動に焦点をあてる、科学的に実証された『行動科学マネジメント®』のメソッドをベースに、再現性の高い指導スキルを習得できます。
リーダーのセンス・経験・勘を言語化し、誰が指導しても成果につながる育成の仕組みを作りたい企業におすすめです。

かんき出版の社員研修が提供するOJT研修の特長
かんき出版の社員研修は、ビジネストレンドを発信し続けている出版社による法人向け研修サービスです。数多くのビジネス書のノウハウを持ったコンサルタントが、お客様ごとに異なる課題一つひとつに向き合い、著者ネットワークを活かしたオリジナルのプログラムを提案し、育成課題の解決へと導きます。
さまざまな経験をもつ講師陣
かんき出版の社員研修は、ビジネス書の著者を中心としたプロフェッショナルな講師陣と、実用的なビジネスメソッドを学べる充実したプログラムが特長です。さまざまな経験をもつ講師の中から貴社の課題を解決できる最適な講師を提案します。
課題に合わせてプログラムをカスタマイズ
パッケージ化された画一的なプログラムでは、企業のビジョンにフィットしない、社員が自分事として捉えられない、なんてこともあります。貴社の課題に合わせて、最適な研修プログラムを提案します。
「トレーナーの指導スキルを強化したい」「トレーナーの指導のバラツキをなくしたい」「新入社員と周囲メンバーとのコミュニケーションを高めたい」「新入社員の早期離職を防止したい」など課題を抱えている企業様は、「かんき出版の社員研修」までお問い合わせください。
まとめ
本記事では、OJTがうまくいかない5つの原因と、育成効果を高めるためのポイントについて解説しました。トレーナーのスキル不足や業務との両立、指導内容のばらつきなど、多くの課題はOJTをトレーナー個人の裁量に任せすぎていることに起因しています。育成計画の整備やトレーナーへのサポート体制など、組織全体で「仕組み」として機能させることが、人材の早期戦力化と定着率向上への近道といえるでしょう。
かんき出版の社員研修では、トレーナーの指導スキル強化から早期離職防止まで、OJT育成に関するさまざまな研修プログラムをご提供しています。「現場任せのOJTを組織的な仕組みに変えたい」「トレーナーの指導力を高めたい」といった段階からでも、貴社の課題に合わせてカスタマイズが可能です。年間960件以上の研修実績をもとに最適なプログラムをご提案しますので、お気軽にご相談ください。
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