キャリア自律とは?求められる背景や研修プログラムを解説

キャリア自律とは?求められる背景や研修プログラムを解説

目次

キャリア自律とは?

キャリア自律とは、環境が変化する中、社員一人ひとりが自分のキャリアと向き合い、自分なりの考えを持ち、主体的にキャリア開発を行うことを意味します。
キャリア自律している人は、仕事のやりがいを感じ、前向きに仕事に取り組む傾向があります。このような人材が多い組織は活性化し、生産性が向上します。

自律と自立の違い

「自律」と似たような言葉に「自立」があります。「自立」と「自律」は次のように定義されます。

自律:外部の力に指示されず、自分自身をコントロールして行動する
自立:外部の助けを借りずに、自分自身の力だけで行動すること


それぞれの意味合いを「個人」と結びつけた場合、以下のような違いが生じます。

自律した個人:自分の意思を持ながら自らをコントロールでき、さらに他者のニーズも把握した上で自己実現を図れる社員のこと
自立した個人:自分の意見や主張を持ち、自ら行動できる社員のこと

キャリア自律が注目されている社会的背景

(1)人的資本価値を最大限にするため、個人と組織との関係性を再構築することが重要視されている

(2) 社員の働き方や価値観、キャリアの考え方が多様化している

(3)終身雇用制度、年功序列など制度が変化し、個のスキルを磨き、自身の力でキャリアを切り拓くこと必要性がでてきた

(4)人材不足の中、社員一人ひとりの労働生産性を高めるために、主体性を持った人材が求められている

企業がキャリア自律を支援するメリット

ワーク・エンゲージメントの向上

企業がキャリア自律を支援することにより、社員は自分のキャリアプランが明確になり、自分の仕事に興味を持ち、意欲的に取り組むようになります。社員が企業に魅力を感じ、エンゲージメントが高まるので、離職防止や優秀な人材の確保にもつながります。

個人・組織の生産性向上

社員の自律性が増すと、積極的に学習したり、経験を積んだりと成長を目指すようになります。社員一人ひとりがスキルアップすると、組織の生産性向上も期待できます。

キャリア自律には内発的動機づけが必要不可欠

外部の力に指示されず、自分自身をコントロールして行動するためには、まず自分がどうしたいのか、何をしたいのかを見つめ直すことから始まります。そのために必要な要素は「内発的動機づけ」です。
これまでは、企業から期待されている業務や役割を全うするためにどうあるべきか、という外発的動機づけでキャリアを描くことが多くありました。「MUST」ばかりを強制しても、前向きな姿勢にはなりません。外側からやらされるよりも、改めて自分の内側の欲求に目を向け、自分に問いかけるところから始めることでこそ効果が得られます。
そのために、まずは個人の内発的動機づけを行うことが必要です。自分自身を知ることにフォーカスし、自己理解を深め、自分を認めます。そして、自己受容感が高まり、自己実現への道が開かれるのです。自分の魅力や価値を活かすとはその価値を使って誰かに役立つこと。まずは、「誰かひとりの役に立つ」を目標に、たったひとりでいいから相手を決めて、自分を使い切るようなステップから始めるとキャリアが描きやすくなります。

内発的動機付け外発的動機づけ
個人の満足感につながる動機づけのこと人からの評価や褒賞、報酬を求める、懲罰を回避するなど外的要因による動機づけのこと
例:仕事にやりがいを感じる/成長している実感がある
例:収入を上げたいから働く、上司や顧客に怒られたくないから働く
外部から強制されたものではなく、自分の意思によるものであり、長期間持続しやすい
目標を達成してしまえば終わってしまう

キャリア研修における課題

・これまで培ってきたスキルや経験を棚卸しして、今後に向けて自分の強みを活かすことを考えても、VUCA時代にも有効であるかが見えない
・自身の興味やこれまでのキャリアに基づき描いても、仕事の需給バランスからやりたいことがやれるわけではない
・自身のスキルとキャリア目標をマッチさせるため、ギャップを埋めるための具体的な開発プランを設定しても、やらされ感で作ったものが多い
・自分のやりたいこと、自分の実力がわからないという漠然とした自信のなさを感じる
・自分のことを深く考えないうちに夢だけを語らされることに苦しさを感じている

VUCA時代に求められるキャリア自律研修

従来のキャリア研修では、スキルを棚卸し、目指すキャリア像を定め、そのギャップを埋めていくアプローチでした。しかし、すぐ先の未来すら読めない変化の激しい時代の中、これまでの社員たちと同じキャリア像を作ること自体が困難です。
また、深い自己の内観がないまま、外的な評価だけにフォーカスしたキャリアビジョンを考えさせられることが負担やプレッシャーになってしまい、「ドリームハラスメント」や「willハラスメント」という言葉すら聞かれるようになっているのが現状です。
これからの時代に柔軟に対応しつつ、効果を出せるキャリア研修とは、一人ひとりが自分らしさを軸にした内発的動機づけを元に、外的変化との一致点をインサイド・アウトで繋ぐことで、総合的なワーク・エンゲージメントを高めることが必須です。

キャリア研修に必要な要素

哲学的思考
自らの生きる意味・存在意義を長期的・本質的に掘り下げることから見えてくる「自己概念=本当の私らしさ」

内発的動機付け
「本当の私らしさ」から導かれる自尊感情・内発的動機により導かれるキャリア自律意識

協調性・セルフモニタリング
自らで言葉化し他者と共有することによる協調性とセルフモニタリング

キャリア研修プログラム「マインドフルカフェ®」

“私らしさと《仕事》の間に、橋をかける”
“内発的動機付けを実現し、個人と組織を変える”

幼少期から現在にいたるまでの「自分史」を掘り下げることで
本質的な自己概念=本当の私らしさ・価値に気づき、
そこからうまれる内発的動機付けを促すことで真のキャリア自律を実現させる。

マインドフルカフェ®︎のアプローチキーワード
 ①哲学的思考
これまでの人生における体験を「自分史」でふりかえりながら、自分らしさや強みを深掘りしていく。
本当の私らしさ

②内発的動機付け
自分らしい在り方を実現する近道は、他の誰かの役に立つこと。その誰かに想いを馳せながら日々の仕事をワクワクするストーリーに。

誰かの何かに役立つ(為事)
③協調性・セルフモニタリング
同じような立場にある人もそれぞれに自分らしい特性や役割があり、それを認め合うとともに、仲間の存在から力を得る。
仲間とともに・・・

人的資本経営、働き方の多様化、終身雇用制度の崩壊などの社会的背景により、キャリア自律はもはや「避けられない時代のニーズ」になりつつあります。これからの時代に必要なキャリア研修は、一人ひとりが自分らしさを軸にした内発的動機づけを元に、外的変化との一致点をインサイド・アウトで繋ぐことで、ワーク・エンゲージメントを高める内容です。キャリア自律を自分ごととして真に理解し実践することで、個人のスキル/パフォーマンスを含めたワーク・エンゲージメントが向上し、組織の生産性向上につながります。
キャリア育成に関するご相談は「かんき出版の社員研修」までお問い合わせください。


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