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2月7日(水)に「女性の健康課題と仕事の両立~月経、PMS、不妊治療、更年期症状でも仕事を諦めない~」と題した人事・研修ご担当者向けの無料体験セミナーを開催しました。
女性活躍推進、健康経営、多様性の尊重などを背景に女性特有の健康課題が注目されるようになってきました。健康課題により仕事の生産性が低下したり、昇進や責任の重い仕事に就くことや自分の望むキャリアをあきらめる女性がいること、また離職につながるケースもあり、女性だけではなく企業にとっても損失です。
当セミナーには、株式会社東レ経営研究所 ダイバーシティ&ワークライフバランス推進部の永池 明日香氏が登壇。自身が女性特有の健康課題や不妊治療と仕事の両立を経験したことから、当事者の視点とダイバーシティや両立支援のコンサルタントの視点と両面から話をすることができます。女性の健康支援のカギとなる「職場におけるヘルスリテラシー向上」についてお伝えしました。セミナーの一部をご紹介します。
なぜ今、女性の健康課題への意識が高まっているのか
働く女性の増加、健康経営、多様性の尊重等を背景に、女性の健康問題が注目されるようになりました。最近は、フェムテックという女性の健康課題を解決するための製品やサービスもさまざまな企業で開発されています。
女性特有の月経随伴症状などによる労働損失は4,911億円と試算されています。健康経営を通じて女性の健康課題に対応し、女性が働きやすい社会環境の整備を進めることが生産性向上や企業業績向上に結びつくと言われています。
女性のライフステージと健康課題
女性のからだは生涯を通じて女性ホルモンの影響を受けます。女性ホルモンとは主に卵巣から分泌される「エストロゲン(卵胞ホルモン)」と「プロゲステロン(黄体ホルモン)」の2種類があります。2つのホルモンは排卵や月経をコントロールするだけではく、女性の心身に大きく影響を与えます。エストロゲンの量は年齢により大きく変化するため、年代により起こりやすい健康課題も変わるのが特徴です。月経随伴症状は多くの女性が抱える健康課題の一つとなっています。
また、晩婚化、出産年齢の高齢化などを背景に、不妊治療を受ける夫婦が増加しており、働きながら不妊治療を受ける人も増加傾向にあります。経済的には、不妊治療が保険適用になったので、利用できる場合は負担が軽減されましたが、身体的・精神的・時間的負担もあるため、不妊治療と仕事の両立が困難で、どちらか一方をやめている人や働き方を変えた人もいます。
さらに更年期症状もあります。男女ともにホルモンは減少しますが、女性の場合は50歳前後に急激に減少するため、個人差はありますがこの時期に不調が感じる方が多くなります。女性が長く働くようになり、更年期を迎える年代の方々も企業に多く存在するようになってきたため、見逃せない課題の一つとなっています。
仕事との両立には柔軟な働き方と職場の理解がカギ
両立のための企業の支援策としては
・ヘルスリテラシーの向上のための取り組み
・働きやすい職場環境づくり (柔軟な働き方に関する制度や利用しやすい風土づくり)
・相談窓口の設置 などがあげられます。
両立ができる職場づくりのポイントは次のとおりです。
・女性の健康課題についての正しい情報を理解することが大切(女性本人はもちろん管理職や周囲の男性含む)
・健康課題の症状、働き方の希望は人それぞれのため、職場においては、個々とコミュニケーションを取り、要望に応じた働き方を一緒に考えていくことが重要
・職場において、それぞれのライフステージに応じて協力し合える関係性の構築が何より大事
女性が働きやすい環境を整備することは、全ての従業員が働きやすい職場づくりにもつながリます。女性の健康と仕事の両立だけではなく、D&I、アンコンシャスバイアスへと心理的安全性などのプログラムもありますので、かんき出版にお問い合わせください。
- 当社内で女性の健康課題を取り扱う施策については未実施なので、女性自身や上司からどのような要望がどの程度あるかを把握でできていないため、施策の導入段階として本日紹介いただいた「ヘルスリテラシーの向上がなぜ必要か?」「女性の健康課題として理解しておきたいこと」な全体的な内容から入るのも良いと感じました。
- 不妊治療や対外受精、不妊の原因の数字は知らなかったので参考になりました。
- 女性社員の割合が低い製造業においては、必要性は感じつつも、なかなか着手しづらいテーマだと思います。しかし、いつまでもそんなことは言っていられないので、取り組まないといけないですね。
女性の健康課題に関するセミナーを実施したいと考えているが、管理本部長の承認が得られず、ヒントをもらえればと参加しました。- 不妊治療の数値データが参考になりました。
- 健康経営の関する取り組みをおこなっておりますが、女性特有の健康課題、両立支援については当社の課題があると考えております。本日のご説明いただいたことを参考にさせていただきます。
- 女性の健康課題についての社内取り組み内容を検討中です。まずはヘルスリテラシーを上げる取り組みが必要と認識しました。女性自身でも知らないことが多いというのは「確かに!」と目からうろこでした。また、他社様の取り組み例も参考になりました。ありがとうございました。
- 「ヘルスリテラシーの高い社員の方が低い社員に比べて仕事効率が落ちにくい」ということが新鮮だった。
- 休暇取得のしやすさ等の環境整備に目を向けがちだったが、情報提供や教育についての重要性を改めて実感するとともに、あまり手が回っていない部分でもあるため、打ち手を考える必要性を感じた。