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ウェルビーイングとは
ウェルビーイング(Well-being)とは、Well(よい)とBeing(状態)が組み合わさった言葉です。身体的・精神的・社会的に良好な状態にあることを意味し、「幸福」と訳されることもあります。ウェルビーイングは、「楽しい」「うれしい」などの心理的な幸福だけではありません。心身ともに健康であり、仕事や生活などの社会的、経済的な不満もなく、持続的に幸福な状態です。
世界保健機関(WHO)憲章の前文では、「健康とは、病気ではないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態(well-being)にあることをいいます(日本WHO協会:訳)」と紹介されています。
出典:世界保健機関(WHO)
ウェルビーイングが注目されている理由
価値観の多様化
働き方革命の推進やワークライフバランス重視の広がり、年功序列や長期雇用の慣行変化、副業や売り手市場の転職などの環境下の中、組織はさまざまな価値観を持つ人材で構成されるようになりました。ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)が重要視されているように、お互いの価値観・個性の違いを受け入れ、共に成長することで、企業の成長と個人の満足度・幸福感の向上につながります。
労働力の確保
総務省の調査によると、2022年の労働力人口の平均値は前年よりも5万人減少し、今後も大幅に減少することが予測されています。超高齢化社会を迎え、労働力人口が減る中で、人材を確保することが組織にとって急務です。出産や育児を機に仕事から離れていた女性、介護や病気と仕事の両立などの多様な人材の活用で労働力を補う点についても、ウェルビーイングの考えが求められます。
SDGsの広がり
SDGs(Sustainable Development Goals)とは、持続可能な開発目標のことです。2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として,2015年9月の国連サミットで採択された、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。
SDGsは17のゴールと169のターゲットで構成されています。その3つめに「すべての人に健康と福祉を」という項目が設定されているとおり、よりよい世界をつくるためにもウェルビーイングが重要視されていることが理解できます。
出典:SDGsとは? - Ministry of Foreign Affairs of Japan(外務省)
ウェルビーイングを構成する5つの要素
PERMA理論
ウェルビーイングの考え方は、ポジティブ心理学から生まれました。アメリカの心理学者であるマーティン・セリグマンが唱えた「PERMA理論」は、「Positive emotion:ポジティブ感情」「Engagement:没頭、エンゲージメント」「Relationship:人間関係」「Meaning:意味、いきがい」「Accomplishment:達成感」の頭文字をとった言葉です。これらの5つの要素を最大限に追求していくことで、ウェルビーイングな状態を目指します。
米ギャラップ社による5つの要素
アメリカの世論調査会社であるギャラップ社では、ウェルビーイングにはこの5つの要素が必要であることを導き出しています。
Career well-being (キャリア ウェルビーイング) | 仕事や勉強、家事・育児、ボランティアなど、一日が充実していること |
Social well-being (ソーシャル ウェルビーイング) | 友人や同僚など、他者と深い関わりや愛情を持つことができ、良い人間関係を築けていること |
Financial well-being (フィナンシャル ウェルビーイング) | 収入や資産など自分の資産管理ができ、経済的に満足できていること |
Physical well-being (フィジカル ウェルビーイング) | 身体的に健康で良い状態であること |
Community well-being (コミュニティ ウェルビーイング) | 自分が住んでいる地域や所属している団体とつながり、関係が良好であること |
世界幸福度が低い日本の現状
毎年、国連の持続可能な開発ソリューションネットワーク(SDSN)は、「世界幸福度報告(World Happiness Report)」を発表しています。この調査は、生活についての満足度を0~10までの11段階で評価し、「国民1人当たりのGDP」「社会的支援」「健康寿命」「人生の選択の自由度」「寛大さ」「政治の腐敗度」を分析しています。
2024年の「世界幸福度ランキング」では、143カ国中、首位は7年連続でフィンランド、日本は2023年から4つ後退し、51位。北欧勢が上位を占め、日本はG7で最下位という結果になりました。年代別に見ると、60歳以上では36位、45-59歳で52位、30-44歳で63位、30歳未満は73位と、若い世代の満足度が低くなっています。
1位 フィンランド
2位 デンマーク
3位 アイスランド
4位 スウェーデン
5位 イスラエル
6位 オランダ
7位 ノルウェー
8位 ルクセンブルク
9位 スイス
10位 オーストラリア
15位 カナダ
20位 イギリス
23位 アメリカ
24位 ドイツ
27位 フランス
36位 スペイン
41位 イタリア
44位 ブラジル
51位 日本
52位 韓国
58位 タイ
60位 中国
72位 ロシア
143位 アフガニスタン
企業がウェルビーイングを実践するメリット
健康経営の促進
健康経営とは、従業員の心身を安定させ、労働生産性の向上や離職率の低下を図り、健康管理を投資として捉える経営手法のことです。生産性や業績の向上にもつながります。
従業員のワークエンゲージメント・生産性の向上
ウェルビーイングの対策により職場環境と整備すると、従業員のやりがい・働きやすさが向上します。仕事に対するモチベーションやワークエンゲージメントも高まり、意欲的に働く従業員が増え、業績アップも期待できます。
離職率の減少と優秀な人材の確保
従業員の幸福度やエンゲージメントが向上すると、帰属意識が高まり、人材の離職防止につながります。また、企業のブランドイメージが向上し、採用活動において優秀な人材を確保できます。
かんき出版のウェルビーイング研修の内容
睡眠改善研修~ウェルビーイング/パフォーマンスアップ/事故防止~
健康経営、ウェルビーイング、マインドフルネスなど社員の健康を重視することが注目されています。カラダのベースとなるものは、食事・運動・睡眠。日中のビジネス時間で最高のパフォーマンスを出すためには、質の良い睡眠が必要。 「人材」ではなく「人財」といわれるこの時代に、会社が社員を守る手立てのひとつとして、睡眠スキルをアップすることが求められます。
心とからだと働き方を整えるウェルネスライフ
近年は、働き方が多様化し、ウェルビーイング経営が注目され、心身ともに健康を保つことのできる、ウェルビーイングを重視した職場環境や制度づくりが求められています。
従業員一人ひとりが心身ともに健康になり、幸福感を持つことで、エンゲージメントが高まり、企業の成長へと繋がります。
マインドフルネス研修~「今」の状態を正しく認識し、集中力を高める~
変化が激しく先の読めない時代に、柔軟にチームワークを活かして組織を導き、かつ自分も周囲も活き活きと歩んでいくために、リーダーにとってマインドフルネスに必要な要素です。 このような時代だからこそ、自分の役割や使命、ウェルビーイングへの本格的配慮、仕事の本質的な効率化、信頼・心理的安全に基づくチーム創りなどを明確化し、飛躍させるのがマインドフルネスに基づくリーダーシップです。
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かんき出版の社員研修は、ビジネス書の著者を中心としたプロフェッショナルな講師陣と、実用的なビジネスメソッドを学べる充実したプログラムが特長です。さまざまな経験をもつ講師の中から貴社の課題を解決できる最適な講師を提案します。
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